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巨大な門の無意味なくだりを終え、豪邸の塀にそってまた歩き出す。気づけばすっかり名前を聞くのを忘れていた。ここはきちんと聞いておくべきだろう。
『今さらですが名前きいてもいいですか?』
俺の耳に、予想はア🌕バス・ダンブ🌕ドアだけどね!と聞き慣れた友の声が聞こえたがスルーした。俺の予想も一緒だよ。ばかやろう。
『わしとしたことが自己紹介が遅れておった。わしはミハルド・ブエレ・ナレオンじゃ。君達の名前は?』
『これが江原司で俺が野村智樹です。』
智樹がまともに挨拶をしていたことに驚愕したがさすがに状況が状況だしな。俺をこれと呼んだのは気になるがな。
それから歩くこと10分くらいだろうか?時計がないからわからないが森からだいたい30分くらい歩いた所ではミハルドが立ち止まる。
『ここじゃ。』
ここ?………いや、なんもないよね?左側には塀で右側には林しかない。その塀も他のところと一緒で全く扉などはない。
『こっちじゃ』
ミハルド地面が指差す。うん、普通になにも……
『開け、ゴマッ!』
ミハルドがその呪文をとなえると地面が四角く光り、真ん中から左右に別れた。
智樹と顔を見合わせる。なんと間抜けな顔をしていたがそれは俺も同じだろう。
『フフフ…驚いておるな?このことも後で説明しよう。今は気にせずついてきなさい。』
ミハルドが楽しげに笑い、その空いた地面に入っていく。その状態から察するに中は階段になっているらしい。
置いていかれる訳にはいかないのでついていくが気にせずって方が無理だよな?これ。
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