第一章:謎の玉

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今日は高校3年生になって初めての登校日。 一年前と同じように昇降口で上履きへと靴を履き替え4階を目指して階段を昇る。 学年が変わるということは色々な変化がある。特に最終学年ともなるとその変化は色濃い。考えたくもないが就職やら進学やらに向けて真面目に考えなければならない。 正直、俺はやりたいこともないからまだまだ決めれそうにないんだが。 そして、クラスの出入り口に張られている座席表を見て一番奥の列の後ろから二番目というどこぞのラノベの主人公ポジションをゲットした。 仲間と騒いでいるクラスメイトの間をすり抜けそこに腰を下ろした途端、当然のように肩に人差し指を突き出した手が添えられた。 『だーれだ?』 『気色わりぃ声出すな。』 そういいながら突き出された人差し指を握って反り返るように曲げる。 『痛い!痛い!イターイ!!指が変な方向むいてるよぉぉぉお!』 するとどうだろうか突然人差し指を押さえ周りの奴等からの視線を独占するやつが現れた。残念ながらそいつは俺の後ろの席の奴だった。 恥ずかしながらこいつこそが俺こと江原 (えはらつかさ)の親友である野村 智樹(のむらともき)である。 『おい司!俺の可憐な人差し指ちゃんになんてこ としてくれるんだ!』 こいつは何で朝からこんなにテンションが高いんだ?と思うのも毎回のことなので聞くのは諦め奴の文句は一切無視することにした。 『あれれーww無視するんですかー?つ・か・さちゅわーんwwww』 『こいつまじうぜぇ。もう殺るしかない。今すぐそうしよう。』 『ちょwww声に出てるって!そこは心の声のとこっしょwwwwもち着けwwww冷静に話し合えばわ(ry』 なんかグダグタいってる最中だったがうっかり、ついうっかり伸ばした手が奴の全体をツンツンと立たせた髪型のために出たおでこに当たってしまったようだ。 『わりぃ、智樹。手が滑ったわ。』 うっかり手が滑ってしまったんだがらしょうがない。しょうがない。
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