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次の朝ケンイチの騒ぐ声で起きた。
「やっべー!!!俺昨日の子と連絡先交換すんの忘れたー!!」
泣きそうな顔で俺のそばに寄ってきた。
俺はうっとうしそうに携帯を開いてケンイチに見せた。
「トオルちゃん、神だね、神!!大好きー」
そう言って抱きつこうとしてきたので俺は必死に押しのけていた。
隣ではれみがくすくす笑っていた。
「それ、なつみちゃんの番号だから。もう一人のえりちゃんは聞いてないよー。」
そう言うとおっけーおっけーとさっそく自分の携帯に転送し連絡していた。
行動力の速さだけは一級品だ。
電話を終えると、今日学校休むねーっと言いながら家を出て行った。
れみがまだ眠たそうだったので、静かにベッドを降り、学校へ行く支度をした。
れみは少し病弱であり、学校へ行くことはできなかった。
ベッドの横にいつも飲む薬を置いて部屋を出ようとした。
か細い腕で布団をめくり、こちらを見て、入ってらっしゃいと手を振っていた。
ゆっくりしろよと言い、俺は大学へと向かった。
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