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一人の少年が窓へと近づき空をにらみつける。あいにく天気は曇り。この後と決戦を考えると雨は最悪の結果となる。
今日を逃したらもうチャンスはゼロに近い。なんとしても今日のチャンスをものにせねば。
とある決戦を前に気合いを入れ直す少年の背後から扉を開ける音とともに男が室内へと進入した。
男は少年の背後で力つきるように大きな音を立てて崩れ落ちた。
その音に気づき振り返ると背後には少年の仲間、船越達郎が横たわっていた。
「達郎!しっかりしろ!何があったんだ!」
少年はひざまずき達郎という男を抱え起こした。
「はは、しくっちまったぜ。でもこれでおまえのための道はできたぜ。」
「無茶しやがって。」
「はは、無茶なのはお互い様だろ勇太。俺はもう無理だからな。あとは任せたぞ。」
そういって達郎は目を閉じ眠りについた。
「くっ、ありがとなおまえたち。こんな俺のために。」
少年、勇太は立ち上がり周りを見渡す。そこには達郎と同じように横たわる男たちがいた。
「あとは、俺に任せろ。」
そういい勇太は、一歩一歩前へと歩き始めた。ともに戦った仲間はもういない。
あとは俺だけだ。今日こそ魔王を落としてみせる。意気込みを感じさせるように勇太は強く強く歩き続ける。
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