Ⅰプロローグ

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「セレナー」 「……ん?」 お姉ちゃんに呼ばれ首だけ動かし振り向く。 あたしの姉はシリウス族の幹部。 よく分からないけど『偉い人』の中に存在している。 ……っま、あたしには関係ないね。 セレナ=シリウス (14) この頃のあたしは何も気付いていなかった。 「今日、集まりがあるけど行く?」 「……うん」 「…………。何かあった?」 ソファーに座っているあたしをお姉ちゃんは後ろから優しく抱き締めた。 それと同時に薔薇の香りがふわりと舞う。 姉の名前はローズ。 ピッタリの名前だと思うが本人は気に入らないみたい。 あたしがまだ幼い頃に母親は他界。 小さすぎたあたしはあまり覚えていない。 お姉ちゃんはその事が気掛かりだったのか、あたしの母親代わりになり大事に育てられた。 「何もないよ?暇で暇でしょうがないの」 「なるほどね、ってか集まりも暇じゃない?」 「そうでもないよっ意外に」 「そうかなー?」 首を傾げながらお姉ちゃんは腕をほどく。 そして準備をするため奥の部屋へ消えていった。 .
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