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そこは気味が悪いほど白い空間だった
天井も壁も部屋の扉らしきものも白く、どちらが上でどちらが下かも分からなくなるほどの白
「君が影利君だよね?」
声のする方を向くと、キラキラと光輝く金色の髪を腰近くまで伸ばし、髪に負けず劣らずの透き通った金色の目
瞳は白っぽい金色で十字架の形をしているというあり得ない光景
「そうだが……アンタはいったい誰なんだ?」
影利の周りをぐるぐるとまわりながら値踏みするように眺める女性
「ん、やっぱりね。影利君には神様になってもらいます!!」
質問をしているのはこっちなのだがと顔をしかめる影利を無視して話しは進んでいく
「影利君からは人とは違う気配がしたから喚んでみたんだけど、影利君の存在の半分が神格に変わっているため神様になって貰います。」
「拒否は出来るのか?死んだのならさっさと天国にでも地獄でも行かせて欲しいんだが。」
面倒くさそうに言う影利に女性は人差し指をちっちっちっという舌打ちと振る
「断れないよ。このままどっかに飛ばしても、良い餌になるだけだし。」
ニコニコと笑みを浮かべて歩き始める女性に影利は溜め息を吐いて後を追う
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