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ドドドドドドドドドドドドドド
何かが向かってくる。
この状況下で何かが向かってくるのといえば…。
「2階を探せぇ!!」
真横の階段を通り過ぎる音が聞こえる。
ダンボールなどの箱で死角になっているおかげでなんとかやり過ごせた。
灯台下暗しとはまさにこの事だろう。
待てよ?
なんでわざわざ無線機など使わずに大きな声で叫ぶ必要があるんだ?
[2階を探せ]
これは他の人に言ってたんじゃ無くて僕自身に言い聞かせているものだとしたら?
まだ敵はこの階にいる。
そもそもヘリがあるわけだから2階以上の階にはいないのは明白。
僕を見失った1階を探すのが定石だろう。
息を殺せ。
まだ…出ちゃいけない。
中学生だからってそんな作戦にのるわけがない。
「やはりいないな…。流れ弾に当たって死んだか?」
これも罠だ。
全て罠だと思わなきゃいけない。
「時間だ…。行くぞ」
いくつかの足音が遠くなっていく。
早く行ってくれ!
もう僕は死んだんだ!
ここにはもう生存者はいないんだよ!
「なるほど。そこか」
ド…クン
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