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「もしかして海外からの留学生?
アイキャン、スピーク、ジャパニーズ?」
「……れっきとした日本人だ」
日本語が喋れるかもなにも、日本生まれの日本育ちなんだから、ペラペラに決まっているだろう。
俺が流暢な日本語で返答するのを聞いて、俺に声を掛けてきた男子生徒は、不思議そうな顔をした。
「じゃあ、髪染めてんのか?
瞳の色がブルーなのはカラーコンタクト?」
「全部自前だ」
「……えーーと……国籍が日本なのか?」
「まあ、そうだ」
俺はめんどくさくなって適当に答えてやる。
「新しい制服着てるし、新入生だよな?」
「ああ」
「俺もなんだー。お前、名前なんていうんだ?」
「人に聞く前に貴様が名乗れ」
「俺は小林龍之介ってんだ。新入生同士よろしくな!」
小林と言うらしい、そのクセっ毛に外ハネ気味の短髪赤頭の生徒は、俺に言われて素直に名前を名乗り手を差し出した。
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