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「気になってること?
何かあるならハッキリ言えよー!
俺が答えられることなら教えてやるぞ!」
龍之介が自分の胸をドンッと叩いてそう言ってくれた。
その言葉に甘えて、黒髪男と目を合わせないよう顔を背けたまま、そいつと龍之介の関係を俺は思いきって聞く。
「龍之介の隣に座ってる黒髪の人は、お前の友達か何かか?」
俺が龍之介にそう聞いたのだが、彼はしばらくの間、きょとんとした表情をして固まって、すぐに笑いながらそれを否定した。
「あっはっはっ!
全然、真澄とは友達とかそう言うのじゃないからな!」
「じゃあ、知り合いか何かか?」
「そうだな。まあ、知らないやつではないぞっ!」
龍之介がそう答えてくれているのはいいのだが、彼の隣りに座っている黒髪男が我慢ならないといった風に、急に勢いよく立ち上がり、俺は何をされるのか恐ろしくて、内心ビクビクしながらこの場どうやって切り抜けようかと必死に考えて、身構えていた。
黒髪男はそのまま龍之介の腕を掴み、彼を自分のところに抱き寄せてからこう叫んだ。
「龍之介君は、僕の婚約者だッ!!!」
……は?
こんにゃくしゃ?
いや、婚約者?
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