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「キミ、翼君と言ったっけ? 僕の龍之介君に手出ししたら、この世の全ての苦痛を味あわせながら、じわじわとなぶり殺しにするから、そのつもりでいるがいい」
真澄はそう忠告してやるとでも言いたげな態度で、射抜くような鋭い眼光で俺を睨みつけながら、悪魔のような皮肉った笑みを浮かべた。
モデル顔負けに整った美形だけにそういった表情をされると、よけいに凄絶に見えて恐怖が増す。
「真澄! いいかげん初対面のヤツすごんで脅す癖、直せよな!」
「べつに、脅かしてなんかいない。親切に忠告してあげてるだけじゃないか」
「脅かしてるだろ! お前、俺の幼馴染のコジロー相手にも同じことして泣かせたじゃねーかよ……」
誰かは知らないが、そのコジローと言うヤツに心底同情した。
気が弱い奴が、やられたら、たまったもんじゃないだろう。
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