昔の真澄

4/9
前へ
/100ページ
次へ
「天上院。とりあえず、俺は男には興味ないからそう言う心配は必要ないとだけはあえて言わせてもらう」  俺は、恐怖感を堪えつつも真澄のやつに同性相手に恋愛感情を持った事は、自分にはないことを教えてやった。  よく言った俺! 「ふふん。ならそれに越したことはない」  真澄は鼻で笑って意地の悪い笑みを浮かべ、俺を見下すような目で見てからそう言った。 「龍之介も同性が好きなのか?」  俺がそんなことをぶっちゃけて聞くと、龍之介は首をぶんぶんと振りそれを否定した。 「俺もそういう趣味はないからな! 俺はしとやかで大人しい純和風の大和撫子な女の子が好みのタイプだからなっ!」 「それは、まさに、昔の僕じゃないか。それから趣味ではなく性癖だ」 「今のお前には断じて、興味ないぞ! 趣味だろうが性癖だろうが変わらん」  ん?  しとやかで大人しい純和風の大和撫子な女の子=昔の真澄?  なんのこっちゃ、さっぱり意味が解らん。  
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加