16人が本棚に入れています
本棚に追加
鈴木の細められた瞼の間から覗く瞳が憧れの対象を見たときのように、輝いている。
兄貴は妙なカリスマがあって昔から男友達(半分以上は面白半分、からかい目的の冷やかしだったが)だけはやたらと多かったりしたのだ。
さらに、見た目だけはかなりいいほうだったせいか、兄貴の本性を知らない女子にもモテていた。
「お兄様の名前はなんていうんですか?」
と鈴木に聞かれたので、食傷気味になりつつも答えてやる。
「牛山 礼二だ……」
「礼二様っスね! ちょい悪っぽくてかっこいいお兄様っスよね!」
入学初日から教室の備品を破壊するとかちょい悪どころじゃねーぞ。
まあいい。
俺が兄貴の面倒を全て見させられるよりか、こいつらが兄貴のパシリになってくれれば俺が楽できるわけだし。
最初のコメントを投稿しよう!