再会~兄と弟~

26/64
前へ
/100ページ
次へ
   だめだ……なんかもう頭の中がぐちゃぐちゃで、泣きそう……  兄貴に、キスされたばかりのせいか、妙に意識してしまって顔が熱い。  掴まれてる腕を振り解くことも振り返って兄貴の顔を見ることも出来ない。  兄貴が異常なまでのブラコンで、俺に執着していることも、溺愛されてるのも知っていたはずだ。  上級生達に見られていたから、笑いものにされたのが恥ずかしかったから、逃げ出してきたけれども。  しかしショックを受けたのも事実で、何より、兄貴にキスされて、全く不快感を感じずに自然に受け入れてしまった自分が一番嫌でそれを認めたくなかった……  実の血の繋がった兄弟で、しかも男同士だなんて、俺がなにより望んでいる 普通 とは全くかけ離れている異常なことなのだ。
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加