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保健室前にたどり着き、引き戸を開ける前にノックをして中に人がいるか確かめる。
ノックをしたが、返事は返ってこなかった。
ためしに引き戸をスライドさせてみると鍵は開いていて保健室内へと入る事が出来た。
保健室特有の薬品の匂いがして、俺は眉をしかめた。
昔から病院なんかの薬品の匂いには、慣れない。
アルコールやエタノールの匂いが苦手な俺はそういった薬品を使った理科の実験も余り好きではない。
俺はとりあえず、薬品棚見て消毒液を探す。
あ、ヨードチンキがあった。
コレを兄貴のシャーペンが刺さった手にぶっかけてから引き抜いて、包帯巻かないと……
あとでちゃんと医者に見てもらったほうがいいんだろうけど薬品の匂いなんかが苦手な俺は、病院に行くのが億劫だし、兄貴一人で病院に行かせるなんてのは、なにしでかすかわからないから出来ない。
太い血管なんかが傷ついてないことを祈るしかないか。
俺はそんなことを考えながら、薬品棚を開けようとしたが、鍵がかかっていて開かない。
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