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職員室に保健の先生がいるか確かめてから来れば、よかった。
ガタンッと薬品棚が音を立てるのと同時に、右奥に設置された病人用ベットの周りを囲うカーテンが少しだけ開いて、中から誰かがこちらを伺っていた。
「……ふう」
こちらを伺っていた人物は俺と兄貴の顔を見て、安心したようにため息をついた。
「なにか、物音がするから、ヤツが追ってきたかと思った……」
その人物はベッドを降りて、カーテンを完全に開いて立ち上がり、軽く腕を伸ばして伸びをしてから、俺達二人のいるところまで近づいてきた。
無造作にはねた短い銀髪に金色かかった瞳をした不思議な容姿をした生徒だ。
俺達と同じ真新しい制服を着ているところを見ると新入生だろうか?
無愛想だが精巧で整った顔立ちをした少年だ。
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