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新手の敵かと身構えるあたし達!
しかし――
「いぎゃああああああああああああああああああああ!!!!」
耳に届いたのは、聞きなれないイシュカさんの悲鳴であった。
両手を頭に、髪の毛を思いっきり引っ張りながら身悶えるイシュカさん。
「ニイナちゃんがロインの上に跨っているぅぅぅぅ!!?? どういう事!? ねぇ! お兄さん居ない間に一体どういう流で!?」
あぁ、“コレ”ね。不可抗力というか何というか……。
変な意味でやったわけではなかったので何も思わないのだが、お家の中で爆発が起こった事よりも何よりも、イシュカさんはそっちの方が一大事らしい。
中身の薄っぺらな、ホントぺらっぺらな妄想をぶつぶつ呟きながら時たまシャウトするイシュカさん。
少し前に帰ってきていたらエラい事になっていたかもしれない。あたしとカエルラが下着姿で拘束されていたわけだから。
尚も身をクネらせ小煩い彼の背後に迫る影一つ。
「赤ちゃんプレイを堪能した挙句自由意思のない今のうちにロインを寝取ろうとか……そういった手ふんぐっ――」
「ウルサイよ。黙りな」
有無を言わさぬ背後からの手刀一発。
この場に平穏が訪れた。
訪れなかった。
後日より、道中で頻繁にイシュカさんが赤ちゃんの真似事をするようになってしまった。
当然、無視である。
ほら、またやってるし。
「わああん。歩けなくなったでちゅ~」
「今日で四度目だぞ、コラ。一昨日から合わせて十七回目だ。そろそろその足切断するか。不必要だしな」
ロ、ロインってば!!
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