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『はァ……ここで遊ぶつもりかよ?』
主人の命令には従うだろうが、こんな雑多な種族の寄せ集めでは本当の意味で烏合の衆。
徒党を組むわけでもなし。各々が迷い込んだエサを求めて本能のままに襲いかかって来るだけだろう。
脅威とは感じない。決して負ける事はないが、やはり数が数なだけに疲れは出るだろうな。
と、言うことで。
「『トラペゾヘドロン・エルフ』」
またもやこの魔法を発動する。
今回は「エルフ」の場所に収納した「パイルアーム」を使ってみる。
トレジャーハンターならば遺跡探索に最低一つは持っていく必需品だ。いや、俺だけかもしんない。意外と高いし、コレ。
鉤爪のついた緑の籠手を右腕にはめ、頭上に掲げる。
「エーレ。天井ぶち抜け!」
『ククク。お前の連れは悪影響だな。だが……ド派手にぶちかます、ってェ発想は割と好きだぜ』
途端、耳をつんざく大音響。腹の奥底から振動する衝撃。
トールハンマーの何倍もの威力を誇るエーレの軽い轟雷にうたれ、易々と天井に大穴があいてしまった。
小さくではあるが、青い空まで見えてしまっていたりする。うほぉ、何度見てもスゲぇな威力。心強い竜だこと。最上階までこれでいけるな、ウム。
襲いかかろうとしていたモンスター達も、今のが余にも衝撃的だったのだろう。力の差を歴然と感じ取り、やる気消失の後ずさり。
本能に従順って超かわいい。
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