33766人が本棚に入れています
本棚に追加
/659ページ
~誰に拳を向けてんだ~
荒地へと馬にむちうち裂け谷目指す
丈の高い草
懐かしいミノオレンスの香りが、鼻をくすぐり母を思い出させる
戻る事は叶わぬ
山の影が背を追いかけてくる中、光は北をさした
疑念から生まれ、恐怖から生まれ、暗黒から生まれた彼はどこへ行った?
地よりも低く、雲よりも高い所へ行ったのか
七つ川を渡った先の白い木の、その向こうに彼は隠れる
貪欲な牙を見せ、月を喰らわんと奈落を見せつける裂け谷よ
はるか東方を振り返れ
来訪者が姿を見せるであろう
お前の喉元を掻っ切る剣を携えて
最初のコメントを投稿しよう!