4人が本棚に入れています
本棚に追加
いい具合にお腹も膨れてきた。
ここ数年、こんな豪華な食事をしたことなかったので幸せだ。
しかも気になっている亜美ちゃんと一緒だし、より幸せだ。
食事をしながら、亜美ちゃんとの会話も弾んでいた。
学校でのことや、将来のこと、バイトでの愚痴や、恋愛話まで……とりあえず会話が尽きなかった。
食事の最中に、船が出航したのを感じ、それからだいぶ時間が経ったように思う。
このイベントって一体何なんだ?
ただの食事会とかか?
そんな疑問もあったが、実際かなり楽しい時間を過ごせているのだし、いいかと思う。
するといきなり
ジリリリリリリ
とどっからかベルが鳴る。
会場にいた全員が、あたふたし始めると同時に部屋の壁からシューーッと白いガスが放出される。
「おい、どうなってるんだ?」
と中の1人が怒鳴り始め、僕たちが入ってきた扉に向かい走る。
ガタガタガタ…
「おい、なんで開かないんだよ!」
とその男はまた怒鳴る。
他にも扉がいくつかあり、他の参加者が同じように扉を開けようとするが…
開かない…。
僕たちは閉じ込められている。
白いガスが充満してきている。
頭がボーッとしてきた…。
「先輩…。」
と不安そうな顔をしながら、亜美ちゃんが震えている。
なんなんだ、これは?
周りでは参加者が次々に倒れていった。
僕も立っているのが辛くなってきた。
すると隣に立つ亜美ちゃんが、突然僕を押し倒した。
完全に意識を失っているようだ。
僕ももうダメだ…。
亜美ちゃんの下敷きになるという、幸せな状態のまま、僕も意識を失った…。
最初のコメントを投稿しよう!