2.夢の精現る!?

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見渡す限り真っ白な空間に人間と緑色。だが動いているのは緑色だけである。 「なあ! なあ! 起きてーなにーちゃん!」 その緑色は尻尾をブンブン振り回した。 尻尾と同色の胴体は玉のように丸い。そしてその玉を支えるように二つの銀色の羽がキラキラと光る。 「う、うーん……、 ここはドコ? わたしはダレ?」 いつもはボケない冬弥だが、お決まりのギャグを決め込んだ。 「ベタなギャグかまさんといてぇなぁ。まぁ、落ち着いてから話を聞いてくれればええねんけど」 緑色は腕を組んで話し始める。 「うん。落ち着けないよね、どう考えても」 頭が正常に回っていないのか、冬弥は状況をまだ飲み込めていない。 「まずは自己紹介や。わいは夢の精霊、名前はムームー。よろしくな」 そんな冬弥をさておき、自己紹介を始めたムームー。 「今落ち着けないって言ったよね!?」 頭は働いていなくてもツッコミだけは怠らない。 ムームーは尻尾を振り、握手を求める。しかし、冬弥は手を握ろうとはしなかった。 「確かに精霊っぽいけど、ちょっと信じれないよ。大阪弁だし、怪しいし」 冬弥は疑いの目でムームーを見た。 「まぁ、そう思うのも無理はないわな。でもわいはにーちゃんのことならなんでも知っとる。成績の事やら好きな人、そして明晰夢を見たいことも」 ムームーは納得しながら、しかしそれでいて言い聞かせるようにそう言った。
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