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「なんでそれ知ってんの!? もしかして明晰夢を見たい理由も?」
冬弥は動揺しながらムームーに聞いた。いきなり自分の個人情報を知らない者に知られていたら動揺するのも仕方がないことである。
「知っとんで」
ムームーは親指を立て、いい笑顔を冬弥に向けた。
「今はわいが制御してるから真っ白やけど、にーちゃんが寝てるあいだは、この空間がにーちゃん色に染まる。それを見ればにーちゃんのことなんて丸分かりや」
「まだ信じられない。俺は生まれてから一度も夢を見たことがなかった。なのに、今日初めて夢を見てる。これが夢なのかも疑わしいところだけど」
やはり夢を見たことがない冬弥には信じれない部分が多々あるようだ。
「にーちゃんは夢を見たことがないんやない。生まれつき見れない。簡単に言えば夢を見る才能がないんや」
ムームーは冬弥の周りをゆっくり飛びながら答えた。
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