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『あれぇ~?お姉さん達の名前を聞いてなかったぁ~!ねぇ?』
『あっそうそう、こっちのお姉さんは、「和子さん」で、私は「美智子さん」よっ!で、お兄さんは?うふふ、ホストのお兄さんなんて…初体験よぉ❤』
『み…美智子ってば…』
『あっ、僕ぅ?晋也ってゆーの。ヨロシクねぇ~!』
美智子ったら、すっかり乗り気で、すっかり喋り方まで若返っちゃって…遺産相続のぐちゃぐちゃした話なんかスッ飛んでしまった様子。
少し歩いたら、黒地にショッキングピンクの看板が見えてきた。
普段なら目を背けるような…安っぽく、そして、いかがわしい感じの看板だった。
いかにも裏の路地が似合う趣味の悪い看板…。
『ここだよーん、どうぞ…素敵な夜の世界に❤ホストな世界にウェルカム❤ぷぶぷっ!さっ、入って~!晋也の新規のお姉さま方二名、ご来店で~す!ぷぷぷっ!』
何故だか張り切ってる美智子の背中に貼り付くようにして、夜の世界へ足を…足を…踏み入れてしまった。
普通の主婦が…足を踏み入れてはイケない場所に…。
ハイ、第一歩…。
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