…溺れる人々…

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おばさんから、任命され、私は今日から「探偵」となった。 早いとこ、報告書を作成し、おばさんに提出しなくてはならない。 それが、田中家、尚且つ、この街の平和を守ることになるのだ…。 おばさんの涙、そして、駅前信用金庫での使い込み事件は…あってはならない。 『店長、今日、片付けしないで10時に帰っていいですか?』 『………えっ?』 私は、記念すべき探偵第1日目の初仕事「現地を張り込む為の早退」をやり遂げた。 今日は、新宿に行く予定である。 アルバイトの時間まで、パソコンで調べたところ、「シンヤ」というホストは、東京都内に二名いた。 一人は歌舞伎町クラブクリスタルリバティの真也。 もう一人は東京都市部郊外にあるホストクラブ❤ラブラブの晋也であった。 ちょっと…この二人について説明しなくてはいけない。 まず、歌舞伎町のホスト真也は、かなりの売れっ子ホストらしく、歌舞伎町の中でもナンバーファイブに名を連ねていた。 今風のイケメンである。 もう一人の…郊外のホストクラブの晋也は…特に調べる必要もないかもしれない。 店舗ホームページのスタッフ紹介の最後のあたりに載ってた写真は小さく…そして(たぶん)わざわざピンぼけにしてあるにも関わらず、不細工だった…。 香は…筋肉質女でゴリ顔のクセに、昔からイケメン好きだった。 そして、どういう訳なんだか…、取っ捕まえて彼氏にしていた。 「捕獲」が断トツに上手いのだ。
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