…溺れる人々…

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歌舞伎町は…凄い髪の色をした人ばっかり歩いてる。 こんな異国みたいなとこに、香は一人、通っているのだろうか…。 『ねっ、彼女、時間ない?俺の店こない?初回ならたったの三千円よ。安いっしょ?俺に着いてきたくなったっしょ?』 『…誰?あんた?』 『…ノリ悪いね、お姉さん。』 こ…これかぁ、これが、…ホストなのか! 初めて、ホストを見たよ。 あっ、いけない。 「任務遂行中」だった。 『あ、あの私、クラブクリスタルリバティの真也さんて人をですね、パソコンで見まして…ですね、だから…』 『えっ!?真也さん?うちのナンバーっすよ。俺んとこの幹部っす。お姉さん、真也さん狙いでココ来たの?』 『うへ!?は、はい。そーでした。そこ…狙いです。でも、まだ店に行くというより、彼が…まず、どんな人か知りたいっていうか…、まっ、ぶっちゃけ…どうなんですかね?彼は?』 『はぁ?意味不明なんだけどー。真也さんの何知りたいの?』 『はぁ、彼のですね、お客さんは…どんな人だとか…。』 『そりゃ、売上スゴいから。って…まずは来たら?』 『いや、今日はいいです。』 『あっ、じゃ、名刺。電話して。来たくなったら、ここのさ、携帯に電話してよ。俺、銀河。銀ちゃんって呼んで。ねっ、お姉さんのアドレスは?』 『…忙しいんで…さようなら。』 危ない、危ない…。 おっと…名刺の裏に地図がある。 まずは「張り込み」から…だろう。 今夜は…長い夜になりそうだ。
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