主人公というのは大抵面倒事に巻き込まれてしまう

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  「……はぁ、お前は一度言うと意見を変えないからな だが、相手は二人だからお前にも一人パートナーを決めてもらうぞ」 「なっ!?先生いいんですか!あいつはアロッタを傷付けた最低な貴族なんですよ!? きっとまた卑怯な手を使ってくるに決まってます!」 「安心しておけ、もし仮に不正があったら直ぐに私が退学まで追い込んでやるからな」 最強君が何やら怯えている女の子を抱き締めながら騒いでいる。先生は彼が一度言えば引かない頑固さを持っていると理解しているからか許可はする物の何かあれば直ぐにやめさせるつもりではあるらしい、それを確認したお坊ちゃんはパートナーを決める為辺りを見渡した。勇者君を相手にしたくないのか、それとも単純に巻き込まれたくないからか彼の目を避けるように目を逸らしていく生徒達。 そして目に止まったのは…… 僕でした。 「君、すまないが僕の我儘に付き合ってもらうよ」 ライマン「なっ!?おい、レクスにそんな危ない試合させるわけねぇだろ!」 弄られ君が言うのは普通に見たら当然の反応だろう、何せ僕の相手は世界を救う事で召喚され力を手に入れた勇者君と運動神経が凄い脇役君だ。まともな戦闘では勝てないと思っているからか僕の前に出て庇うように言ってくる。 気遣いはとても嬉しいんだけどごめんね、僕は嫌じゃないからさ レクス「ん~、いいよ?君に付き合ってあげる」 ライマン「レクス!?」 「悪いな」 弄られ君が何か言いたそうだけど僕は笑顔を向けておいてお坊ちゃんについていった。それにしても僕の実力にでも期待しているのかね彼は?そうじゃないにしてもわざわざこうして招待されたからにはやっぱり多少楽しんでいかないと駄目だよね? 視界の隅で脇役君が嫌そうな顔でこっちを見ていたけど、僕は軽く手を振っておいた。模擬戦用に使われる広場にやってくればお互いそれぞれ位置に着いていくようにしていき、僕達の模擬戦が気になるからか皆授業そっちの気で騒いでいる。 先生は審判役になるようで互いに向かい合っている僕達の真ん中近くでそれぞれの準備が出来るのを待っていた。まさか接触一日目で こうしてバトルまでやれるなんてね、僕としてはとても嬉しいわけだけど。 さて、と……この試合どうしてあげよっかな?
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