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【……どちらにしろ我の仕事を代わりにやってくれたお前に礼を言おう】
レクス「いやいや礼を言われる事じゃないよ、僕が勝手にやっただけだし」
アーベー『いい男だな、やらないか』
折角のシリアスムードがパーだよアーベー。死神君は口元をフッと笑って作ればありがとうと礼を言って消えた。魔法陣の効果が消えて光はなくなり、残ったのは禁術を犯した生徒の亡骸のみ。
一件落着したので帰ろうとしたら後ろからいきなり殺気がしたので身体を捻って避ける。どうやら最強君が攻撃してきたらしい。
「何て事をしたんだ…話し合えば彼が死ぬ事はなかったのに!」
レクス「いやぁ……どう見てもあの死神説得に応じるつもりなかったけど?例え話し合いで解決しても彼の人生お先真っ暗だったと思うよ」
「生きていればやり直す事が出来ただろう!」
さすが最強君、どこまでも前向きだねぇ……でも彼の人生が今後どうなっていくか分かってないのにその発言はただの偽善でしかないよ。
アーベー『こいつうざいな、喰っちまっていいか?』
レクス『自分に正直な君がちょっと羨ましいよ』
アーベーは男だったら人種問わず喰うらしい。さすが皆のアーベー、伊達に男喰ってないね。
「とにかく、俺はお前を許さないからな!」
最強君はそう吐き捨てて学園の中へ走って行った。どうでもいいけど蟹味噌ってこの世界にあるのかな?なんて思いながらその背中を見送っていれば入れ替わるように先生が他の先生を連れてやってきた。
生徒の亡骸もある状態だったので取り敢えずまだいる僕達に事情を聞こうとしていくが脇役君が死神が生徒を裁いたと言うのでそれに捨てられちゃんも続くように頷いていく。転生君と勇者君は青い顔をさせて気分が優れないのもあって黙っていた。
まさか庇われると思わなかったからちょっと驚いていたら脇役君が僕の近くまでやってきて
亮「……死神がどうにも出来なかったら俺がやってたと思うから、今回は黙っててやるよ」
と、言って捨てられちゃんと去っていった。
これは借りみたいなものかな?いつか返しておくのもいいのかな
アーベー『ウホッ!いい男!』
レクス『まぁ、それには同意だねぇ』
僕達もこのまま残る意味はないので中庭から去っていく。その僕の背中を見つめる勇者君は今回の出来事で何を思うんだろうね。
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