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長い廊下をひたすら歩く。
「…………また迷子だし。」
よくよく考えてみたら、学校までの道程は聞いていたけど校内の事は全く聞いていない。
(あぁ……何かデジャブ……)
もうすぐ始業式が始まるせいか、廊下には人気が全くない。
「あっ、体育館!!…………も分かんねぇよ。取り敢えず、一旦下駄箱んとこ戻って…………ぶっ!!」
下を向いて考えながら歩いていたせいで、前に人がいた事に気が付かなかった。
「っ~………ってぇ………あっ、ごめんなさ………」
「あー、さっきの子だぁ。」
「……高柳恭介先輩と七瀬誠先輩……ですよね。」
タカとマサの幼なじみの2人だ。
「名前………」
「マサが教えてくれました。幼なじみだって。」
「へぇ………あの子がねぇ。」
一瞬、高柳先輩の後ろに黒いオーラが見えたような……
「それにしても……あんな一瞬でよく覚えてたな。」
七瀬先輩は、すごく不思議そうな顔をしている。
「え?1回見て聞いたら覚えませんか?顔と名前くらい。」
「…………」
「…………」
視線が痛い。
「あ……の………俺、何か変な事言いましたか?」
「うーん……あのさぁ、ちょっと質問しても良いかな?」
俺の質問には答えてもらえず、変わりに質問したいと言われてしまった。
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