ープロローグー

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俺の名前は久遠歩夢。 ちょっと変わった趣味を持つ、ごく普通の高校生だ。 1週間前、この街に引っ越してきた。 高校1年生の冬休みと言う、何とも微妙な時期に引っ越す事になったのは、父さんの仕事の事情。 今まで通っていた高校が気に入っていた俺は激しく抵抗したけど、あの母さんに勝てる訳もなく、この街に来る事になってしまった。 そして今朝……… 『私達の分もお参りよろしく!!』 と爽やかな笑顔で言われ、下手な(本人には言えないけど)地図片手に近くにあるであろう神社へ向かった。 そして案の定、迷子になったと言う訳だった。 「この歳で迷子とか有り得ないし………交番とかないのかよ……」 交番を探そうにも、それだってどこにあるのかも分からない。 周りを見ても足早に歩く人達ばかりで、とても聞けるような雰囲気じゃない。 「はぁ…新年早々ついてないな。って言うか、転校が決まった時点で………ん?」 道端にしゃがみ込み、俯いて文句を言っていると、急に目の前が暗くなった。 「………」 何事かと思い顔を上げると、目の前には可愛らしい男のコがいた。 「どうかしましたか?」 俺の方を見ているような気がするけど、会った事のない男のコだ。 と言うか、こんな男のコに会っていたら、俺のこの頭が絶対に忘れるはずがない。 人違いだろうと左右を見渡していたら、ガシッと肩を掴まれて、顔を覗き込まれた。 「こんなベタな事するのって、渚くんぐらいかと思ってた。」 「そうだな。」 「……俺の事………ですよね。」 「そう、キミ。」 そう言ってニッコリ笑った可愛らしい男のコの後ろには、背の高いカッコイイ男の子がいた。 .
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