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「うわぁ……さみぃ……」 現在、朝の6時半。 真新しい制服に身を包み、コートを羽織り、マフラーを巻いて、手袋をして、家を出た。 寒がりな俺にとっては、かなり辛い季節だ。 肩を強張らせながら歩く。 転校初日ぐらい、ゆっくりしてから学校に行きたかった。 だから、日課の(やりたくないけど母さんに付き合わされている)ジョギングを断ったら、走らなくて良いからコースを歩いてから学校に行け、と言われた。 文句を言ってみたけど、鶴の一声に俺は従うしかなかった。 「ったく。何でこんな朝早くから……………ん?」 近所の公園に差し掛かった時、ふと目に入った物に、2歩3歩と足を戻す。 ベンチの背もたれから、はみ出るように、ダラリと下がった足と腕が見えた。 「………足と………腕………えっ………死体……な訳………」 恐る恐るベンチに近付く。 「…………」 1人の男の子が転がっていた。 目を閉じていても分かるくらいに整った顔立ち。 スラッと伸びた手足。 背も高そうだ。 「あの……こんなとこで寝てたら風邪ひきますよ……」 そっと肩を揺らしてみた。 「……んっ………」 「あっ、起き………た…………」 ゆっくりと開いていく瞳。 目が合った瞬間、そのキレイな瞳に吸い込まれるかと思った……… .
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