プロローグ

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 隣の部屋のテーブルには、子供逹がまだかまだかと朝食を待っていた。  「じゃあ、ご飯にしようか」  俺は逃げるようにミキをテーブルに座らせた。  「パパおはよう!」  そう元気良く挨拶したのは、8歳の長男のフウタだ。 フウタは、まだ幼いながらもしっかりしていて頼りがいのあるお兄さんだ。  その隣にいるのが三女のミカだ。まだ赤子であまりうまく喋れず、今も、「パ、お…およう」などと、良くわからない言葉を喋っていた。  「パパ食べようよぉ」  リリに催促され、俺は我にかえった。  「じゃあ、いただきます」  俺の一言をきっかけに、子供逹は、我先にとおかずを取りあい始めた。  そんな子供逹を見ていると、玄関の戸をたたく音が聞こえた。
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