コンプレックス

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ある日。 「俺さ、最近目と目の間狭くなったと思わない? 」 ハッタリが言いやがった。 『えっ? う、う~ん…。どうだろう…。』 困った俺。 「いやいやいや、間違い無く狭くなったし。」 なんだその自信は。 『えっ?何かしたの?』 するとハッタリはニャッと笑ってこう言った。 「俺さ、実はもう少し目と目の間が狭かったら結構イイ男じゃんよ。」 はい? 「んでさ、今のままでもイイんだけどね、やっぱりもうちょっとカッコイイ方があの娘とも上手くいくかなと思うんだよねぇ。」 …マジですか?ハッタリ君。 するとハッタリが真面目な顔でこう言った。 「いや俺さ、毎日目と目の間を狭くする為にね、寝る時に目と目の間を洗濯バサミで挟んで寝てるんだよね!」 「でさ、毎日目と目の間をものさしで測ってるんだけど、間違い無く狭くなったんだよ!」 「見て解らないかなぁ?」 すいません。わかりません。 本当すいません。 って言うか、 お前はバカか?(笑) どんだけ痛い奴なんだよ…。 鏡の前で真剣な顔して目と目の間をものさしで測ってるハッタリを想像したら、さすがにバカとは言えなかった…(苦笑) その後、ハッタリが洗濯バサミを使った整形をやったのはしばらく年月が経ってからの好きな娘に告白する直前だった。 一回挟んでみたら、痛くて出来なかったよ。 ハッタリ恐るべし… 初ライブに向けて無理矢理顔まで変えようとするんだね。 可愛いあの娘が見に来てくれるから張り切っちゃってるんだよね。 こうしてまた一つ伝説が生まれた…。
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