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『御剣っ!...そのまま行けえっ』
『はいっ、先輩!』
ジリジリ焼けるグラウンドの上を、風を斬りながら走る少年。
染めムラの無い綺麗な金髪が自ら起こした風に乗ってなびいた。
額と頬を伝う汗は小さな丸い粒となって大気に放たれ、空中で蒸発して消えてしまう。
相手チームのディフェンダーは、そんな光景に、つい見入ってしまう。
集中 集中、と自らの頬をぱちんと叩き、再び気を引き締める。
だが、そんな風に見入ってしまう程に、この金髪の少年の動きは華麗で俊敏で、正確だった。
...ズバンッ
強く蹴り上げたボールは何とか抑止しようとするキーパーをいとも簡単なくぐり抜け、ゴールネットを揺らした。
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