144人が本棚に入れています
本棚に追加
/219ページ
「カズは女になりたいんだね。」
「そーゆーあんたは?」
「俺?俺は、また俺が良いかな。」
「…え?」
「だって、カズと、皆と出逢えた。それは、寸分の狂いもなく、俺でなければ、無理だった話じゃん?」
また自分に…か……
「じゃあ、また自分に生まれ変わったとして、やり直したかったと後悔したことは、やり直します?」
「絶対にやり直さないかな。」
「また、どうして?今じゃない自分とか、想像しない?」
「そりゃ、想像はするよ。けど、同じ道を歩まなきゃ、今に至らない。つまり、こうやってカズと話すことすら出来ないじゃん?」
ああ…
神様……
「だから、生まれ変わったとしても、もう一度同じ人生を歩みたい。」
さっきの願いを取り消させてください。
「じゃあ、俺も、また自分に生まれ変わります。」
俺は子を産めなくても良いから……
「そして、また、この幸せを一緒に歩ませてくださいね。」
もし、女になったとしてら、
別の人生で君に出逢いたい。
もしまた、男に生まれたのなら………
二桐一貴として、
君にもう一度恋をさせてください…。
生まれ変わっても、また俺で君に…
END
.
最初のコメントを投稿しよう!