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俺とユウジがバッテリーを組んで、何年か経った頃のことだった。
―ピンポーン―
「あれ?まさき兄ちゃんどうしたの?」
俺の家にまさき兄ちゃんが訪ねてきた。
「ごめんな。俺な、もう野球やらねぇから。」
まさき兄ちゃんは静かに言った。
「え?僕、まさき兄ちゃんが野球やってるの好きなんだよ?」
「…悪いな。ユウジにも言っとけ。」
「まさき兄ちゃ、」
「俺も、俺もお前達が野球やってんの、すげー好きだぜ。絶対に続けろよっ!」
まさき兄ちゃんは明るくそう言った。
「じゃあな。」
まさき兄ちゃんは最後にこう言って、帰った。
「まさき兄ちゃん、またねー!」
俺は懸命に明るくつとめ、叫んだ。
でも、まさき兄ちゃんは答えてくれなかった。
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