むねりんの過去

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ユウジは何も知らなかった。 ユウジに迷惑がかかると思って何も言わなかった。 何事もなかったかのように振る舞った。 「むねりん。」 勉強している最中、いきなりユウジは真剣に言った。 「俺達って何?」 「友達。」 「そう、親友であり相棒であり家族みたいなもん。」 何が言いたいのか分からなかった。 「辛い時も嬉しい時も一緒に経験したじゃん!…むねりん嘘付くの下手だよ。」 そう言ってユウジは泣いた。 ユウジは分かっていた。 ユウジには伝わっていた。 俺は一人じゃないんだ。 「ごめん。…ユウジのアホ。」 俺は泣きながら、でも笑いながら言った。
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