夢の底へ……

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 …かといって。 ただ見守っているだけでは、まるで事態が進まないので、口を挟む事にする。 言い合いに参加するのではなく、むしろそれを潰すつもりで。声には可能な限りの“ドス”を利かせて。 「……【竜しっぽ】、招集したって事は『事件』なんだろ?  はやく済ませた方が良いんじゃない?」 「お~…さすがに、夢さんの方はおっかな」 「ふざけないで」 「……はい」  ケラケラと楽しそうな笑みを零して、オーバーリアクション気味に手をヒラヒラさせだした彼女に、言葉を遮るようにぴしゃりと言い放つ。 【竜しっぽ】は一瞬でしょげ顔になって頭を下げた。 「まったく……」  はあ…と、ため息一つ。 何というか、この変わり身の早さも彼女らしい。
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