仮面の男が噂を語る

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 それはとある、何処にでもいるような、実に実に平々凡々な男子学生の見た怪異。 宵は越え、夜も更けて。部屋の明かりを落とせば部屋は、墨を溶かしたような闇。 厚ぼったいカーテンを少しめくって、ようやく遠巻きに申し訳なさそうに光る街灯が見つかるくらい。  時刻で言えば、夜中の二時半。 古く言う【丑三つ時】だね。……うん、中々おあつらえ向きだ。  さて、その彼が何故こんな時間まで起きていたのかというと、ま、単にゲームのやり過ぎだったんだけどね。 まあ、この辺りには意味はないから割愛するよ。
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