師匠と弟子

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ちなみに家族とは言ったけど、本当の家族では無い ――そう、血が繋がっていないのだ 別に血が繋がっていない姉弟とかではない 単に赤の他人 姉弟じゃなくて師弟 付き合ってるわけでも無い僕らが、一つ屋根の下で一緒に暮らしているのには深い理由があるのだけど この話はいつか機会があれば話そうと思う 「弟子…言い訳は良くない」 いつの間にか朝御飯をたいらげていた師匠は、椅子の上で胡座をかきながら理不尽な事を言う 「んじゃ、明日から朝御飯抜「起こして頂きありがとうございます」 朝食抜きの言葉を聞いた師匠は直ぐ様、土下座をする 師匠の威厳もくそもない姿に嘆息しながら、僕は綺麗に無くなった朝御飯の皿を片付けた ふと師匠の方を見るとまだ土下座している どんだけ朝食抜きが嫌なんだよ 「もういいから顔上げろって」 僕の残り少ない善意が働いて、そう言ってあげた しかし一向に顔を上げない師匠にある不信感を覚える 「まさか…」 師匠を揺する それでも土下座したままの師匠の顔を覗き込むと僕は驚愕した 死んでる… わけもなく、土下座しながら寝ていやがる とりあえず一発殴っといた
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