とある中年男の話

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秒針がどれだけ進んだのかが分からなくなった頃であった。 男はついに意を決して首を通し、歯を食いしばった。 ところが、どうやら人が近付いて来ているらしい。 この閑散とした真夜中の公園内にコツン、コツンと足音が響き渡っている。 しかも、足音は確実に男の許へと近付いているようだ。 その事が分かるや否や、男は慌てて三脚を駆け降り走り出した。 そして、男はガシャンという三脚の倒れる音と共に何処かへ消えてしまった。
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