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えぇ!?って、ソファに寝そべったまま不満そうな声を、広い楽屋に響かせたニノから。
「小野さん――それって。世間じゃ付き合ってるって言うんじゃないんですかぁ?」
なんて呆れた声で言われて。
「何で?全ッ然言わないぞ。俺の中では」
俺が。それはそれは、
『思いきり』、『力強く』、『全力で』否定したから。
「あ…。そ」
別にどーでもいいですけどね。
興味ゼロですからって。ニノは相変わらず寝転がったままDSで遊び始めた。
「オイ…。話オマエから振っておいて、それで終わりかよ?」
俺も雑誌ぺらぺらめくりながら、拍子抜けする。
「アナタね。ヒトに聞かせる話し方ってのがあるでしょう?」
今のはどう見たってアナタが会話を終わらせたじゃないですか。なんて言われるけど。
「――オマエだってヒトの話の聞き方ってのがあるだろ?」
画面から目を上げずにカタカタと小さな音立ててボタンを凄い勢いで操作してるニノは。
「仕事帰りに仲良く食事に行って…気が向けばルン君ちで飲んで。帰るのめんどくさかったらそのまま泊まって。最近じゃあ何か俺達の前でもボディタッチ増えてますし。――それにアナタ最近ルン君ちの合鍵貰ったらしいじゃないですか…って。――あ!死んだッ!」
もー。って口先尖らせて文句言いながら。寝返り打って俺のほうにやっと顔を向けた。
「アナタね。どんなに仲いい友達だって。家のカギなんて渡さないんですよ!」
そういうのは、ステディ、って言うんです!
「すてでぃ?」
「――たった一人の。大事なヒト。って意味です」
「一番大事な…――トモダチってコトか?」
「『情緒欠如』とか『気付かないフリ』っていうハンザイがあったら。小野さん間違いなく有罪ですからね。俺が死刑にしてあげますよ」
どんだけルン君の気持ちを玩んだら気が済むんですか。
いつも喜ぶだけ喜ばせておいて。突然そっぽ向いて、奈落の其処に突き落とすのを、笑ってみてるじゃないですか。
――悪魔の所業ですよ。
って、何で俺こんなに人でなしみたいに責められてるんだ?
「別に俺。あいつの気持ち――玩んでは無いぞ?笑ってもないし…」
「そうですか。無意識でやってるなら更にタチが悪い」
アナタなんか、傲慢さに我慢できなくなったルン君に、無理矢理犯られちゃえばいいんですよ!
って。此処まで酷い事言われるのか!?
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