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俺の想像してた30代の自分。
『もっとこう…。オトナな階段昇りきってた筈だよな…』
何だっけあの歌。
――大人の階段昇る~君はまだシンデレラ、さ…とか言うフレーズのあの歌。
誰かがカバーしてたの最近聞いて、いいなあ、って思ったよなぁ…。
また一人でぼんやりしながら。
隅っこの椅子に座って机に突っ伏して、寝ぼけ眼でだらーっとアイツ等を眺める。
――いつもと同じ風景。
相変わらず楽屋ではルンが俺の席に我がモノ顔で座るのを阻止できないし。
そいでもって二ノにマシンガンのように暴言を浴びせられても穴だらけになるだけで言い返せないし。
あまつさえ颯君は俺のこと何時まで経っても「可愛い」とか訳わかんないこと言ってくるし。
最終兵器アイダちゃんは…。
誰も取らないのにまた口の中一杯にして何か食ってるし。
でもこれが。
30代になっても変わらない。
俺の居る場所。
――やべ…。
何だか居心地良くて、眠くなってきた。
――誰か起こしてくれんだろ。って。
俺はそのまま、重力に負けた瞼を開かないままで、こっちの世界を暫く放棄した。
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