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「何で!?」
オレは、たった一日会えないのだってイヤなのにさ。
コノルンは俺と会えなくて平気だったの?ってのがまずは不満。
「――入院してもう4日だよ?」
俺が俺のコトデカデカと書いてあるスポーツ紙読んでどーすんだよ、って突っ込んでも、楽屋じゃないから誰も返してくれるヒトが居ないのが次の不満。
特別室ですからブロードバンド環境は完備ですって言われてもさ…スマホ使いたいのに、病院内だから当然禁止で。こっちから連絡とれないのも不満だったけど。
抱かれる時に両手のひらで撫でてる広い背中を探るみたいに確かめたら。
「コレコレ。もう俺禁断症状が出そうだったよ…」
いつもどおりのちょっと低めの体温に、安心した。
ただ。たった一枚のシャツが凄く邪魔だ。
コノルンのひんやりした素肌が触りたい。
特別室の癖に鍵が掛かんないのも不満に加えなきゃ。
兎に角アサキさまは色々欲求不満。
「え?症状って何?――大丈夫なのか!?」
起き上がってないで寝ろ!!なんて、もう離れようとするから。
全然コノルンが足りない俺は。
ヤダヤダ、って。シャツを掴んでしがみ付く。
「違う!コノルンのカラダの重さを。忘れそうだった、って言ってんの!」
って。そのまま俺のベッドに引きずり倒そうとするけど。
「あ…――馬鹿!!」
よろけるのに。それでも俺に負担が掛からないようにって、必死にカラダの両脇に手をついてくる。
「あのさあコノルン…」
拒まれてると感じる事の方が。
病気の症状なんかよりずっと、
息苦しさを感じるのはどうして?
病は気からってのは、本当なんだなって、ここ数日で凄く思う。
――俺はね?
「俺は別に、そんな気遣いなんて欲しくないの!!」
何時もみたいにオレにダメ出ししてさ。
何時もみたいにオレのコト虐めてさ。
何時もみたいにオレ様な発言してさ。
時々気付くの遅くなるくらいほんの少し優しければいいよ?
って言ったらコノルンは。
「アイダさん――オレってそんなに普段極悪なの?」
あ~、しまった。更に凹ませちゃったよ…。
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