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出院
ただ広いだけの駐車場。突き当たりに1mほどの柵があり、その向こうは2.5mほどの崖がある。
そこに、12月の冷たい風にさらされながら1人の少年が立っていた。
風が静まる。その瞬間、浅黒い筋肉質の身体が躍動を始め、軽やかなステップから一連の動作に入る…。
抱え込み側方宙返り…。
とんでもない高さで柵を跳び越え、回りきった少年は、かたいコンクリートに受け身をとり、何事もなかったかのような表情で
すごすごとさって行った。
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