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12月25日、少年院の門をくぐりながら菅原梨斗は喋る。
「仮退院がクリスマスなんていいプレゼントじゃん」
「少しは自粛しなさい」
と母の恵美。
昔から喧嘩っ早かった梨斗は中3の頃高校生相手に喧嘩をし、傷害罪で少年院に入ることになったのだった。
「うるっせーなー」
そう言いながらもともとつり上がった目をさらに細くする。
「やっと自由の身になったんだしさー」
「そうゆう問題じゃないでしょう?」
「そうゆう問題だよーん」
軽くちゃかしながら
車にのりこんだ梨斗は
「これからは、おとなしくしてるよ」
と言ったが、恵美は
「…さ、家にかえるわよ」
と相手にしなかった。
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