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梨斗は車の窓から外を見る。綺麗な青一面の空の色は、梨斗の心をすっきりと洗い流してくれそうな心地よさがある。
「綺麗だなー」
「あんたにそんな美的センスなんてあったかしら?」
母につっこまれた梨斗は、爪を噛みながら母に一瞥をくれ再び窓の外に目をやる。反論しようかとも思ったが、今はこの心地よさに浸っていたいのだ。
時間が経つにつれて、薄暗くなる。もう5時半を過ぎると、日も落ち始める。
ふるさとに帰郷した梨斗は足下のコンクリートを見つめる。帰って来たんだな、と実感してくる。
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