華に恋する

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「夜?何?寝れないの?」 「うん…」 俺は内心、何こいつ可愛い!!としか思わなかった。 声に出しかけたが、あまりにも深刻そうなその表情を見ると、冗談を言ってる場合じゃないと思った。 「お前、そのせいで最近体調悪いんじゃないか?ちゃんと寝ないともっと悪くなるだろ?」 俺は心配しつつも、ここはきちんと言わないと悪化すると思い、若干口調はキツくなった。 「そう…だよね…」 彼女はそう呟くと、腕時計で時間を確認し、「迎え来るから」と言って教室に鞄を取りに行った 俺は後ろ姿をじっと眺めていたが、その姿は寂しそうで何故か胸騒ぎがした。
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