華に恋する

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それから数日後、2月14日。 男子も女子もそわそわするバレンタイン。 あれから彼女は、相変わらず体調は悪そうだったが大分寝れるようになったようだ。 「尚人君」 放課後、彼女に呼ばれた俺はあの日と同じ中庭に来た。 よく晴れた日の日差しがぽかぽかした日。 2月にも関わらず暖かかった。 「尚人君、入学から今までありがとう。これ受け取って」 彼女の手の中には、きれいにラッピングされた、可愛らしい小さな箱だった。 「ありがとう」 俺はありがたくそれを受け取り、ベンチに座った。 彼女も、横に座った。
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