華に恋する

5/32
前へ
/52ページ
次へ
そして現在2月。 この体を差すような寒さが続く日、俺らは中庭にいた。 あれから分かったことは、華恋は病気に負けないくらい明るいということ。 周囲を明るく和ませることができること。 でも時々、―――… 時々、酷く寂しそうな顔をすること―――。 「ねぇ尚人君」 綺麗な透き通る声で、俺の名前を呼ぶ。 「もうすぐでバレンタインだね」 「だな、華恋は誰にあげるの?」 俺がそう問いかけると、彼女は指を折りながらクラスの女子の名前を呟いた。
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加