華に恋する

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「んー…まぁ、たくさんかなぁ」 この寒さも吹き飛ぶような、暖かい笑顔を見せた。 「女子は大変だな…」 「男子は貰う専門だもんねー」 「おーよ」 華恋のチョコなぁ… 「一応聞くけどさ、手作り?」 「当たり前じゃーん」 「…食える…?」 「失礼な!!」 華恋は少し頬を膨らませ、拗ねたような素振りを見せ、ぷいっとそっぽを向いた。 チャリ… 彼女の首についている、小さくて可愛らしい、銀の鍵の形をしたネックレスが、音を立てて揺れた。 「けほっ…けほっけほっ」 いきなり咳込み始めた。 俺はいつもの事だと思い、大丈夫か?と声をかけながら背中をたたいてやった。 その背中はやけに細いな、と言うのが印象だった。
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