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全焼
火を見続けて、どれくらい経ったであろう。
何の余韻もなく、ただ男は今だに燃え続けている火を、じっと見据えている
「火は凄いな、いや流石とも言える……、なんせこんなあっという間に、全てのものを焼き尽くしてしまうのだから、最早あっぱれとしか言いようがないなぁ。」
男はそう言ってまた火を見続ける
そこにあるのは村全体全てを包んでいる
まるで海のような
大きなな火…………
まるで蠅がたかっている虫の死骸を見るような……
冷たく、汚らわしいものを見る冷めた目で…………
ただ一人、じっと見ていた
感情も何もない……
辺りを凍らせるほど
冷めきった視線で
彼はずっと
見据えている
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